アポロ13号 ビル・ヨント 2010年2月5日
アポロ13号
ビル・ヨント
月に着陸するというミッションをもってアポロ13号は3人の宇宙飛行士を乗せて打ち上げられました。しかし、そこから突然、悲痛な叫び声で「ヒューストン、問題が発生しました!」と連絡があった時、世界は一瞬停止したかのようになり、テキサス州ヒューストンの宇宙局コントロールセンターにいた人たちは心臓が止まりそうになりました。酸素タンクが破裂したことが発見されたのでした。この報道の言葉が発せられた途端、この偉大なミッションのゴールは突然変更されたのです。月に到着することは最早意味をもたず、3人の宇宙飛行士をどのようにして無事地球に帰還させるかが人々の焦点となりました。
人生の試煉や悲劇が私たちを襲うとき、それまで大切だと思っていた 夢や目標、又何かを達成すること等よりも、単に呼吸をすることが突然に一番大切なことになるのは興味深いことです。聖書の中でも、又私たちの人生においても、神が私たちを高みに連れて行かれて主の素晴らしい夢を見せてくださるとき、その夢を地上に持ち帰り実行するためには大気圏の中に再突入せねばならず、それは非常に重大な危機的瞬間となります。
多くのミニストリーから「問題発生!」の泣き叫びの声を聞く
私の霊 は多くのミニストリーが発する泣き叫びの声を感じます。それは、最初彼らは主から高い召しを受けてミニストリーを打ち上げたのですが、何かよく分からない理由で現実に物事がうまくいかなくなってしまったときに発する叫びです。あたかも天の領域(天からの計画・目標・理想・夢)にいる私たちを、神が地上の領域(現実的問題・種々の試練)に戻るように命じておられるように思われるとき、私たちのプライオリティーは急に変るのです。
アポロ13号のミッションは、神から与えられたミッションや夢を追い求めている時でさえ、私たちがいかにもろく、攻撃・障害を受け易いものかということを私たちに教えてくれるものだと思います。これに関してはヨセフのことが思い浮かびます。 神から与えられた彼の夢は何度も中断させられました。神からの夢が高ければ高いほど、それを成就するためには、私たちはより深く地上の出来事(苦しみ)を経験せねばならないかのように思えます。ヨセフが穴に投げ込まれたとき、神から与えられた夢を成就するためには、彼が地球大気圏へ再突入して地上の多くの苦しみの中に突入させました。囚人として送った多くの年月は彼を更にへりくだらせ、捕われている者に同情することが出来る者に彼をしました。ですから彼の夢が実現したとき彼は捕われている者たちに、そして悪い兄弟たちにさえも、憐れみをもって接することを忘れませんでした。ヨセフは自分のことだけを夢見る者から、人々のことや彼らのより高いデステイニーを夢見る者へと変えられていったのです。
ヨセフの夢はもう消え失せたかのように彼には見えたことでしょう。彼が地上に戻ってくるのは簡単ではありませんでした。自分の夢に死に、他人のために夢を見なければならなかったのですから。 牢獄で共に暮らした男がパロにヨセフのことを告げたのでヨセフの運命はついに成就されることになりました。恐らく他の人々の成功のために夢を見ることができたことがヨセフを宮殿へと導いたのでしょう。宮殿に入った彼は直ぐに自分の家族が回復されることを夢見て、やがて彼らを回復することができました。彼はエジプトの繁栄を夢見て、その結果すべてのエジプト人を飢饉から助けたのです。
ミニストリーが暗礁に乗り上げたかと思われるようなとき、うまくいかない事態から私たちは学ぶ
アポロ13号のミッションは「成功した失敗」であると考えられています。乗組員が月に上陸できなかったという意味では、失敗でした。しかし不可能と思われる状況の中でどのように人々が協力し合って働けるかを示し得た故に、それは成功だったのです。
ケン・マッティングリーという宇宙飛行士は乗組員の一人としてアポロ13号に乗り込むはずだったのですが、医師たちは彼がはしかにかかった可能性があるとして乗船させなかったことは興味深いことです。彼は地上に残り、自分の夢に死にました。しかし、ケン・マッティングリーこそがアポロ13号の乗組員を安全に地球に生還させるための知識と知恵を与えるキイパーソンとなったのです。
神が私たちに一つの夢をくださるとき、 私たちが置き去りにする人が、多くの場合後になって私たちの夢が成就するのを助けてくれる人となり、私たちがなにか問題にぶつかるときに助けてくれるキイパーソンとなるのです。ところで、ケン・マッティングリーははしかにはなりませんでした。彼は後にアポロ16号のコマンド ・モジュール・パイロットとして飛行しました。それは月面着陸の5回目のミッション であり、乗組員が月面を歩いた唯一のミッションだったのです!
地上で多くの人たちがアポロ13号の生還を 祈っていました。ダクトテープと紐という全くありふれた物が、宇宙船の酸素の補給を保ち命を救うものとなったのです。実際、NASAからのすべての宇宙ミッションにはダクトテープが積み込まれています。
私は6年前に心臓発作を起こし救急病棟に横たわっていたのですが、その時多くの人々が世界中で 私のために祈ってくださったことをよく憶えています。私の心臓は実際止まっていたのです。その朝私は救急室で、サタンが手下の悪霊どもにむかって「彼のために祈っている人がすごく沢山いる。残念だが彼から手をひかねばならない!」と言っている声を聞きました。心臓発作を起こす前、私は神から高い召しを受けていましたが、その夢を実現するために私を地上に引き戻してくれたのは人々の祈りでした。
神はしばしばその人のミニストリーを断っても、人を主ご自身の元にひき戻される
何年も前のことですが、私は自分のミニストリーによって破滅しそうになりました。私は自分のミニストリーを主よりも愛してしまったのです。 ミニストリーというものは、気をつけないと私たちにとっての一番の敵となり得るのです! そしてそれは全く悪気もなく起こってしまいます。というのは私たちは神御自身が召してくださったことを愛するからです。主は私のミニストリーが進まないように、戸を閉ざし窓に鍵をかけられました。私の働きへの招きはぷっつり途絶え、私の周りにいるのは家族と神だけになっていました。3ヶ月間ほど私は神と閉じこ