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24 5月

神との真の結びつき(その一) ショーン・ボルツ( Bolz Ministries) 2019年5月24日


神との真の結びつき(その一)

 

ショーン・ボルツ( Bolz Ministries) 

 

今日はキリストと一つになって生きることについてお話したいと思います。主イエスはヨハネ17章で御父に祈られたとき、この事に関する真理を私たちに垣間見させてくださいました。それは主が祈り方を弟子たちに教えたのではなく、ご自分の祈りの人生をありのままに見せてくださったからです。ヨハネ17:21で主は「それは、父よ、あなたがわたしにおられ、わたしがあなたにいるように、彼らがみな一つとなるためです。また、彼らもわたしたちにおるようになるためです。」

 

「一つとなる」とは、単なるロマンティックな感情のことではありません。「一つとなる」と聞くと、多くの場合私たちは何かふんわりと詩的な言葉だと思い勝ちですが、主は、「ご自分と御父が実際に持っておられる結びつき」のことを話しておられるのであり、私たちにとっても大変重要なことであるのです。聖書の中でイエスやパウロが言及された多くのことが、今の神経学や心理学で言われ始めています。そして「一つとなること」が、事実、科学的に可能であることが言われています。

実際のところ、あなたの心理的精神的機能は始めからあなたの中に造られ組み込れています。神経学的に見ても、人間の中には人間同士だけではなく、あなたと神とが一つとなり繋がることができるように最初から造られているのです。これはこれからますます科学的研究によって証明されていくでしょう。しかし、私たちは人間がそのように造られていることをあまり認識しておりませんので、これをもっと知ることは私にとってとてもわくわくすることです。

 

第一テサロニケ5:9−10「神は、私たちが御怒りに会うようにお定めになったのではなく、主イエス・キリストにあって救いを得るようにお定めになったのです。主が私たちのために死んでくださったのは、私たちが、目ざめていても、眠っていても、主とともに( union with Him )生きるためです。」

 

私たちが主と一つになって復活のいのちを得るように、主はご自分のいのちを与えてくださったのです。 主と一つになる(union with Jesus)という主題を理解するのは非常に大切です。それは聖書で結婚に関して用いられる言葉と同じだからです。

私と妻とは似たところも少しはありますが、大部分は本当に違います。ですから私たちが一緒に暮らして本当に幸せであるために、中間地点までお互いに歩みよるようにいつも努力しています。一緒に人生を歩むとき、自分の考えを犠牲にしてあるところで折り合いをつけねば、非常に惨めな人生になってしまいます。

 

でも二人が歩みよって一緒に歩くならば、一人よりももっとすごいことができるようになります。妻のシェリーと私は結婚して6年経ちましたが、私はそれ以前独身だった時よりも、この6年間で自分のアイデンティティーに関してもっと理解し、ミニストリーやビジネスにおいてももっと発展することができました。二人が一つになったとき、どれほど幸せになるか、どれほど力が与えられるかには、本当に驚かされます。結婚だけではなく、他の関係においても、同じことが言えると思います。

 

長寿の秘訣

 

心理学者であるスーザン・ピンカー氏が「結びつき」に関して言っていることをご紹介したいと思います。彼女は科学者ですが、すばらしい神経学者であり、長寿の研究の先駆者でもあります。皆さんも、長寿のためには大酒をしない、タバコを吸わない、とかはご存知だと思いますが、ピンカー氏の長寿のためのリストの一番目をお話しましょう。それは「人々とのふれあい」です。つまり、あなたが長生きをするための一番の道は、社交的なふれあいなのです。

2番目も似ていて「親しい関係」です。ですからタバコをやめると少し寿命が伸びるけれど、もし誰かと親しい関係を持つならば、いやそれ以前に社交的な言葉を人々と交わすならば、(例えば郵便配達の人に挨拶したり、スタバでコーヒーを入れてくれる人に「お元気?」と声をかけるならば)そんなに親しくなくてもあなたの寿命は伸びるのです。

ピンカー氏はイタリヤのサルデーニャ島にすむ167万人ほどの住民で百歳以上生きる人が、世界平均の10倍もいることを調査しました。彼らの社会ではいつも人とのふれあいがあり、お互いに面倒を見て、見過ごしにされる人は一人もいないのだそうです。

また、他の神経科学者は次のように言っています。ある情報をデジタル(テキスト、ライン、Eメール等)で受けた時と、電話とか顔と顔とを合わせて聞いたときではインパクトが違うのです。直接肉声で聞いたときは、録音とかEメールにくらべて75%もインパクトが強いのです。ビジネスであれ個人的なことであれ同じです。誕生日パーティーに直接電話をしたり、会って誘うならば、Eメールで誘うより75%その人が来る可能性が高まるのです。

私たちは今デジタルの時代に生きていますから、これは重要な事実です。クリスチャンとして、私たちが神とどのようなコネクションを持つかが考えさせられますね。

もし神の御霊が私たちに働いていないで、ただ情報だけを得ているのならば、神が私たちのために意図されたいのちを十分には生きていないことになります。そして聖霊の考えや思いを知らずに、聖霊と一つになることも出来ないのです。

私たちは豊かだと思っていますが、ただ情報を持っているだけなのです。神と顔と顔を合わせて話すならば、75%更にインパクトを受けることができます。「顔と顔とを合わせて」と言っても、それはモーセのような経験をしなければならないということではありません。神がリアルな方であることを知り、リアルな神と実際にコネクトし、その神と時間を過ごしてインパクトを受けるということです。もう一つ興味あることをピンカー氏は言っています。

「私たちが生存するためには、食物、水、睡眠が必要なように私たちには純粋な人間とのコンタクトが必要です。デジタルは情報を交換するためにはいいですが、人間関係や繋がりを深めるためのものではありません。サルデーニャ島のようの人々のように、私たちはもっと顔と顔を会わせて人と繋がる必要があるのです。それは長生きの秘訣です。」

 

英国人の実態

 

英国の研究報告によると、英国人はどの年代層であっても、睡眠を除く他の何よりもデジタル器具やスクリーンに時間を費やしているそうです。そして多くの場合一人でそうしています。訓練された教師に一年習ったり、家族でいつも一緒に食事をすることによって得られる益よりすばらしい効果のあるアプリなど存在しません。英国人の四分の一は、人々と感情的な繋がりはないと言っています。

又、三分の一の人は、広いコミュニティーと繋がってはいないと感じています。もし男性が女性くらい長生きしたければ、又、都会の人が地中海の村人くらい長生きしたければ、近所の人と話ができる場所に住む必要があるのです。幸せに長生きしたかったならば、人との交流が必要です。

私は「Happy」という映画を見たのですが、それは地球で最も幸せな人たちをさがして世界中を旅する映画でした。それは人々同士が交わり繋がって生活しているコミュニティーに住んでいる人達でした。彼らは互いに気をつけ合っているので、安心して暮らしていました。彼らは孤独ではありませんでした。彼らは原住民で貧しい人達でしたが、幸せだったのです。

 

私の体験

 

私は2000年に、それまでしていた多くのミニストリーをすべて止めて旅にでました。回りの人たちは、私が何か問題にぶつかったのか、と考えたようです。というのは、毎週のように世界中で大きなミニストリー集会をしていたのに、急に全く世間から姿を消したからです。でもそうではなく、私は自分と神との関係をはっきりと見出したかったからなのです。

私は二代目のクリスチャンで、教会で育ちました。そして16歳のときミニストリーを始め、その道をまっすぐに歩いてきました。その中で私が尊敬していた多くのミニスター達が道徳的、また感情的失敗を犯すのを見ました。又、ミニストリーにありがちな「駆り立てられるような」ミニストリーに私も陥っていきました。今の社会はどの分野においてもそうですね。

しかし、神が大きく動かれる時のことを調べると、それはいつも神が人の心の中に働かれて救いを与え、その結果として教会が成長しています。ですから、私は人の心にどのように神が現れ、どのように人が神を愛するようになるのかを見つけ出したかったのです。

 

救いとは人が神を恋い慕い愛することです。しかし、「救い」は結果としての「実」であって、あなたと神が一つとなる「根の組織」で起こることではありません。枝に実る実が救いですが、根がなくてはそれは起りません。

ハイディ・ベイカーの夫であるロン氏の言っていたことを私はよく覚えています。彼は5代目のクリスチャンですが、彼の祖父は中国の宣教師で、そこで本物の神のムーブメントを体験しました。それは孤児達が毎日神とすばらしい出会いをするようになり、それが何ヶ月も続くこともあったそうです。

孤児たちは読み書きができなかったにもかかわらず、聖書の箇所を沢山話すようになりました。子ども達はイエスや天使等に出会いました。

ロンの祖父が属していた宣教団体は福音派で、救いに直結していない霊的、超自然的な出会いに心を閉ざしていたので、祖父は本部への報告書にそれを書くことを控えました。

「このような神との出会いで人々は救われ、教会は成長する」と私たちは結論づけますが、ロンが注目したのは、そこではなく「子ども達がイエスと出会い、イエスがご自分の心の秘密を子どもたちに話した」ということでした。

イエスが初代教会の人々と持っていたのと同じ関係を子どもたちは持っていたのです。そしてイエスというお方、実際には会ったこともないユダヤ人であるイエスを愛し恋いこがれました。その出会いを宣教師が導く必要はなかったのです。

 

子どもたちは教会や村で、自分が読んだ事のない聖書を教えました。それまで福音に堅く閉ざされていて、ロンの祖父が何十年も実を得ることができなかったその地方に、ものすごい御国がもたらされたのです。神が介入された故に多くの実がなりました。私はこの話を聞いて、このような歴史的事実が教派の教義の故に握りつぶされたことが他にも沢山あったのではないかと思いました。

このようにイエスと直接出会うことによって、多くの魂が救われ、多くの教会が生まれました。この話を聞いたのは私がマイク・ビクル師のところで彼の「キリストの花嫁」研究の手伝いをしていた時でした。私は世界中のキリストの花嫁に関する記録を調べましたが、そのほとんどは極く初期の教会、あるいは初期のカトリック教会の信者たちの体験によるものでした。彼らは神への愛に捉えられ、心と霊において神と同じ空間にいることを感じ悟ったのです。

 

それは私の心を真にとらえました。なぜならば、カトリック教会が出来る前からこのような人々の流れがあったからです。宗教の縛りから自由になって「神よ、私はあなたを知りたいのです。あなたがそれを望んでおられますから。」と言った人たちがいたのです。そして私も「神が私たちに知られたいと思われるように、私は神を知りたい」と思いました。それは神の霊である聖霊を通して可能です。イエスご自身が聖霊が来られることを弟子たちに3度約束をされました。

ヨハネ14:16には「わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためです。」とあります。聖霊は来て、話されるのです。聖霊は御父から聞いたことを直接あなたに話されるのです。又、第一コリント2:10に「御霊はすべてのことを探り、神の深みにまで及ばれる」とあります。聖霊が御父と私たちの心の深みを結びつけてくださるからです。

 

脳という素晴らしい器官

 

私は脳という器官が大好きです。というのは脳は身体の中で唯一他と交わりを持つ器官だからです。あなたの脳は人々と交わることによってのみ発達します。あなたには神経可塑性と呼ばれるものがあり、それは脳が発達し変ることが出来る能力のことです。心臓や肝臓と違って脳がすばらしいことは、脳に損傷が起こったり、又は何かの中毒になったり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)がある時、あなたの脳は神経可塑性により新しく造られたり、変ったり、癒されることができるのです。

脳だけがそういうことができます。けれども脳だけではできません。あなたが何を考えるかにより、又人との交流によって変るのです。それは神が私たちの脳に与えられた本当に素晴らしい能力であり、「他の人の霊の真似をする」という働きです。そして脳が人との交流によって発達するとき、特に小さいときに時を過ごした人々、あなたを育てた人(普通は両親ですが)が脳の発達に及ぼす影響が一番大きいのです。あなたが小さいとき最も世話をしてくれた人が、あなたの神経生物学的機能を形造り始めますが、それは聖霊の業と似ています。

 

 私たちが神にどうやって繋がるかと言えば、それはまず第一に、私たちには神のマインドが与えられているからだと思います。第一コリント2:16には「いったい『だれが主のみこころを知り、主を導くことができたか。』ところが、私たちには、キリストの心(mind)があるのです。」とあります。ですから、私たちが神と共に過ごす時、クリスチャンとして形造られ、キリストの心(マインド、物の見方、理解)によって形成されていくのです。(続く)


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