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Walk With God Ministries

16 10月

生きた細胞からなる教会(1) ラリー・クライダー(DOVE Christian Fellowship International)


生きた細胞からなる教会(1)


ラリー・クライダー(DOVE Christian Fellowship International)



私が若者たちに伝道し始めた時、主が語られました。
「あなたは地下の教会で働く用意がありますか?」それを聞いて私は、世界で弾圧されているキリストの教会のことかと思いましたが、そうではありませんでした。教会という木があるとすると、地上の目に見える部分の下に、もっと大きな根の部分があるのです。私たちは教会に何か問題が起こると地上の部分ばかりを取り扱いますが、実は根の部分が重要なのです。それは即ち、小グループ(様々な呼び方がありますが、私は「living
cell 生きた細胞」と呼んでいます)の働きです。実に聖書は地上の部分よりも地下の部分に重きをおいています。教会の最初の200年は、
使徒行伝2:46やローマ16:5にあるように、基本的には公の場所での集会ではなく、家での集りでした。

使徒行伝20:20でパウロは「人々の前でも、家々でも、あなたがたを教え」と言っています。「人々の前」とは地上の部分であり、「家々」とは地下の部分です。私たちには両方が必要なのです。しかし過去2千年にわたって教会には、地下の部分が欠けていました。使徒行伝ではコルネリオの家(10章)やピリピの看守の家(16章)で起きたことが書かれ、最後はパウロの家での伝道で(28章)終っています。しかし、残念ながら私たちは今、ほとんど地上の教会のことばかり話しているのです。ですから神は地下の部分を今から回復されようとしておられるのです。

私の歩み

1980年の初頭、義父が牧師をしていた教会の礼拝に私が出席していた時、主が「わたしはあなたに新しい教会を立てさせます」と言われました。私はその時、すぐに主が言っておられることを理解しました。人と人とが生きて繋がっている教会、生きた関係のある教会です。そして私はホームグループをつくり始め、その年の暮れには3つの小グループができ、日曜には25名ほどが集まって礼拝するようになりました。その後いろいろな失敗を繰り返しましが、主の恵みにより2年後には順調に成長するようになり、毎年300人ずつ増えていきました。

私たちの教会はペンシルベニヤ州の小さな田舎町にあるのですが、10年後には千人の教会になりました。しかし私たちのフォーカスは常に地下の部分でした。教会員は何らかの地下のグループに属し、グループのリーダーは教会のリーダーに繋がっていました。時には地上の部分、即ち日曜の全体礼拝の代わりに、地下グループがそれぞれの場所で礼拝したりしました。その結果百名の新しい人が教会に加えられました。

また、私たちが生み出し育てた多くの牧師、小グループのリーダー達を他の教会に送りだすことを主は許されました。今は世界23カ国に700の教会、何千という小グループがありますが、これはすべて主がなされたことであり、聖書が言うように教会の地下の部分にフォーカスしてきた結果なのです。

聖書に見る小グループの12の価値

1.収穫のための備え
世界には今リバイバルが起こっている国々があります。現在まだ起こっていない国でも、聖書には終りの日に主は御霊を注がれるという約束があり、多くのとりなし手が祈っていますから、やがてリバイバルが起こるのは間違いありません。ですから私たちはそのために備えをする必要があります。主は「新しい皮袋」が必要だと言われます。(マタイ9:37、マタイ9:17、ヨハネ4:35)
人々は日曜日に教会で皆で礼拝し、ちょっと挨拶をして家に帰るだけでは養われないのです。「生きた細胞」のような小グループに属し、そこで訓練され整えられる必要があります。

  教会の地下の部分がその役目を果たし、そこで霊的父親、母親が霊の子どもたちを育てるのです。多くの人が救われても教会に定着しないのが現状ですが、彼らを根付かせるのは小グループです。

  2.人々にイエスと親しくなる方法を教える
  ヨハネ17:3「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストを知ることです。」
  神を知るためには、神と親しい人と共に祈ることほど効果的な方法はありません。小グループはそのような環境を与えます。それは人間関係、信頼関係がそこにあるからです。人々は本当に心を打ち明け相談が出来る人、一緒に祈ってくれる人を求めているのです。

  3.伝道のため
  マルコ1:17「イエスは彼らに言われた。『わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。』」
  生きている小グループならば、内側だけを向くのではなく、外にむけてリーチアウトし、いのちを分け与えていくのです。グループの人が手をつないで内側を向いているのではなく、手をつないで外側を向いている姿です。内側だけを向いているならば、そのグループはよどんでいきますが、外側を向くと命を得ます。小グループが陥りやすい間違いは、ずっと同じ人たちと手をつないで内側を向いていることです。

  4.大宣教命令の遂行—弟子をつくること
  マタイ28:19の大宣教命令でイエスは、ただ回心者を作るのではなく、「弟子」をつくるように命令されました。小グループでは皆が弟子を育てるという業をすることができます。弟子作りは、弟子がまた次の弟子を作れるようにせねばなりません。グループの中の人と1対1で時を過ごして育てて行くのです。気を付けて避けねばならないのは、リーダーがマニュアルに従って運営してしまうことです。本当のリーダーは自分一人で話したりグループをコントロールするのではなく、皆が話せるようにします。教えることの大好きなリーダーは困りものです。小グループに教師はいらないのです。

  リーダーは次のリーダーを育て、彼が新しいグループを作れるようにします。そのためには副リーダーを沢山作るのがよいのです。そして彼らにいろいろな責任を分担させていくことで、彼らがリーダーとして育ち、小グループがどんどん増えていくのです。

  5.教会は建物ではなくて人々であることを教える
  マタイ16:18「あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。」
  イエスはここで建物のことを言っているのではありません。私たちは「教会に行く」のではなく、私たちが教会なのです。

  6.すべての聖徒はミニスターである
  聖職者がすべての働きをするというのは、間違いであって、すべてのクリスチャンはそれぞれにミニストリーをする賜物を頂いています。そしてそれを十分に働かすことができるのが小グループです。

  ある時グループの一人が亡くなり、その家族がグループリーダーに葬儀を執り行ってほしいと言ってきました。リーダが牧師である私に相談したので、私は「是非しなさい。」と励ましました。そしてそれは素晴らしい葬儀となりました。なぜならば、リーダーが故人をよく知っていたからです。又、子どもを無くした夫婦を慰め助けるために出かけた牧師は、もうすでに小グループの人達が
夫婦に必要なミニストリーをすべてしているのを見たのでした。私たちは2千人の教会ですが、そのミニストリーの95%は聖職者ではなく人々によってなされています。人々をミニストリーへと解放してください。


  7.信頼できる人間関係を打ち立てる場所
  第1ペテロ2:5「あなたがたも生ける石として、霊の家に築き上げられなさい。」
  私たちは救われる前は死んだ石でしたが、今は生ける石となりました。聖書は生ける石が一つでいるのではなく、一緒に霊の家に築き上げられねばならないと言っています。日曜の礼拝では生ける石たちは山積みになっています。お互い同士の関係はありません。ただ少し挨拶を交わして歌を歌い、説教を聞き、献金をして帰るだけです。石が築き上げられるためには、どうしても小グループが必要だと私は思います。

  8.霊的倍増を予想し期待する
  神の創造はすべて何倍にもなるのです。しかし、そうなることを予想し期待しなければ、それは起りません。小グループも成長し、何倍にも増えていくのです。

  9.臨機応変と創造性を促す
  神はユニーク性を好まれます。同じ聖書の原則を用いても、実際のやり方は、教会により、文化により、小グループにより違うのです。聖霊のおられるところに自由があります。常にユニークで創造的なグループであり続ける知恵を主が下さることを期待してください。創造はいのちを解き放ちます!もしどのグループも同じようならば、何かが間違っているのです。

  10.クリスチャンに力を与える
  ヨハネ14:12「わたしを信じる者は、わたしの行うわざを行ないます。」
  第二テモテ2:2「多くの証人の前で私から聞いたことを、他の人にも教える力のある忠実な人たちにゆだねなさい。」
  小グループの中で人々に働く場を与え、彼らが成長するのを助けることができます。

  11.チームを作りあげる
  アモス3:3「ふたりの者は仲がよくないのに一緒に歩くだろうか。」
  第一コリント12:28「そして、神は教会の中で人々を次にように任命されました。すなわち、第一に使徒、次に預言者、次に教師、それから奇蹟を行なう者、それからいやしの賜物を持つ者、助ける者、治める者、異言を語る者などです。」
  小グループにおいて真の信頼関係を築き、それぞれの賜物を生かしてチームとして力を発揮することができます。
  健全なチームには次の4つが必要です。
  1.同じヴィジョン
  2.同じ基本的価値観
  3.会の運び方の合意
  4.神による健全な関係
  この一つでも欠けていると、グループは破綻します。
   (続く)


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