トランプ大統領の試練とアメリカの政治情勢 坂 達 也 2017年7月7日
トランプ大統領の試練とアメリカの政治情勢
坂 達 也
国外で発揮されるトランプ大統領の実力とリーダーシップ
G20の会議がドイツで始まりました。それに先駆けて、トランプ大統領の最初に立ち寄ったポーランドでの演説は、格調の高い、世界のリーダーシップを握るにふさわしい実力者である事が如実に顕われておりました。ウオール・ストリート・ジャーナル誌は「アメリカ・ファーストよりも大きく、それを超えた、世界の方向性を決める(defining )スピーチであった」と評価し、多くの人がレーガン大統領の歴史的演説に匹敵すると賞賛しました。ポーランドは折から、洪水のようにボートで入って来る難民を一切受け入れないと宣言し、難民を受け入れ過ぎて困惑するドイツとは対照的です。このG20では、トランプ大統領がこの数十年世界に蔓延した無責任なグローバリズムに対決する強い姿勢を示すと共に、アメリカはヨーロッパNATO 各国だけでなく、北朝鮮問題を含む世界的視野で、その強い連携責任を果たすためのリーダーシップを取ることを明確に宣言しました。
それが、プーチン大統領との会談でも表れていたようです。両大統領の会談は2時間を超え、最初はトランプがプーチンのアメリカ大統領選挙への介入とシリヤ問題を厳しく問いつめた後、二人は積極的に問題解決への道をポジティブに話し合い、二人の相性はとてもよかったとチラソン国務長官が報告しています。
一方アメリカのリベラルなメディアは、すかさずトランプ大統領を「レイシスト・民族差別主義者(白人優先イスラム軽視)」と非難しました。
トランプ大統領が直面するアメリカ国内の問題
アメリカの政治環境と国民のモラルは、左右二派に分かれた対立がいよいよ激しくなり、トランプ大統領が目指す内外の政策は全面的に立ち往生する事態となっております。その大きな原因は二つあります。一つは昨年の選挙に負けたデモクラット民主党が、二大政党が協力して成り立つ民主主義政治への責任を全く果たしていないことです。そして二番目の問題は、リベラルなメディアが常識を逸脱して、報道すべき報道を拒否し、人心を惑わし煽るフェイクニュースだけを流すことによって、アメリカ国民だけではなく、世界を惑わし、攪乱するという前代未聞の事態になっていることです。私はこれは悪質極まりない「テロ行為」と呼んではばかりません。
今回、私は日本の皆様に緊急のとりなしのお祈りを要請させていただきたいという一念で、緊急事態のアメリカの現状をお伝えさせていただきます。
民主党(デモクラット)と「陰の政府」の暗躍
「陰の政府」とは最近アメリカで DEEP STATEと呼ばれていますが、オバマ前大統領があやつり暗躍する陰の政府を指しているようです。オバマ氏が雇い、その後引き続き現職で残っている相当な人数の政府要員を陰であやつりながら、オバマ氏はあらゆる手段を尽くしてトランプ大統領を妨害(というより、彼の後を受け継いだトランプ大統領が成功しないように)しようとしています。それが最近露骨になって来たのです。特に民主党議員への働きかけが目立ちます。その一つの理由は、政権が変わった後の民主党にはリーダーが全くいないということが曝き出され、民主党からの政策的提案は皆無に等しく、彼らのして来た事と言えば、共和党のすべての政策に闇雲に反対することであり、トランプ大統領を弾劾することだけに全精力を集中して来ました。
しかしながら、このような民主党に対する国民の審判の目は厳しく、トランプ政権になった後に行われた5回の国会議員の補欠選挙で、その5議席とも共和党議員が選ばれたという結果が出ています。
トランプ大統領のツイート問題
この動きに協調しているのが大手のリベラルなメディアです。彼らはますます過激的に反トランプ色を強くしていますが、大統領弾劾のための理由として、最近ではトランプ大統領自身が毎日のようにするツイートを指して(特にリベラルなメデイアをこき下ろすツイートに対し)医学的根拠が全くないにもかかわらず、「大統領は精神異常者で、大統領としての資格は無い」として、25人の民主党議員が議会にトランプ大統領弾劾提案をしようとしております。確かにトランプ大統領のツイートは前例のない程多く、内容は激しく率直すぎる、一国の大統領らしくないと言う非難は当っているかもしれません。しかし、これだけ大手メディアが寄ってたかって大統領をこき下ろすことだけしか報道しないのであれば、大統領としてはツイートによって国民に直接訴えるしかないというのは無理からぬ事情といえます。特に最近暴露されたCNNニュース局の内部で「上司が報道者へ、大統領を誹謗するためのフェイクニュースだけを毎日手を変え品を変えて流せ」という指示をしている現場を隠しカメラで撮った映像が公表されたのです。それは呆れてものが言えない程ひどいものでした。それを知った大統領が痛烈に批判したツイートを立て続けに発表したことに対して、今度はそれを逆手に取って大統領に「精神異常者」というレッテルを張り、それを弾劾理由とするという卑劣極まりない話なのです。
私は日本の政治情勢が必ずしも最上とはいえないことを知っておりますが、もし皆さんが今のアメリカの実情を知られたら、これが文明最新国のアメリカでまかり通っているとは「信じられない」とおっしゃると思います。今のアメリカのリベラルなメディアではジャーナリズムのモラルなどひとかけらもありません。何故そうなるかと言えば、大手メディアは視聴率が上がる事だけを目標にし(広告収入に影響しますので)、反トランプのニュースだけを聞きたい見たいリベラルな民衆が50%近くいるので、その人たち相手の視聴率を上げるフェイクニュースだけを流せと上司が指示するからです。
そこでご参考迄に、それ以前の6月に起こった主な事件をご報告します。
世界中に暴虐と殺人が氾濫する
その一つは、民主党と共和党両院議員による恒例の慈善野球試合の前日に、一人の白人が折から練習中の球場に来て、そこにいるのが共和党議員であることを確めた上で、ハイ・パワー銃で50発近くを乱射し、一人の共和党議員が重傷を負い、数人が負傷、そして犯人は、5分後に駆けつけた警官により射殺されるという惨事が起きました。今世界中において、ISIS以外に、これに似た殺人事件が続発しております。日本も例外ではありません。これは悪魔の断末魔的仕業としか言いようがありません。クリスチャンが聖霊の臨在による栄光の環境をつくり出す事ができるとすれば、その逆に、悪魔は暴虐と殺人の殺伐とした環境つくりができることを今如実に実証していないでしょうか。
元 FBI 長官コーメー氏の議会喚問証言
次に大きな話題となったのは、トランプ大統領が免職処分した元FBI長官コーメー氏の議会喚問証言です。この議会証言が行われたのは6月8日でしたが、その前から大手メディアの報道は今迄に増して反トランプ攻撃が過激化し、まるで気違い沙汰の様相を呈していました。もはや、フェイク・ニュースかどうかの問題を通り越し、自分が好むニュースだけを報道する、そこには報道者の中立性などは微塵もないのです。多くの場合アナウンサーの顔と声がひきつり、トランプ大統領に対する憎しみを隠そうともしません。ある信用できるレポートによれば、現在のアメリカのメデイアは80%が反トランプ報道であると言われます。
そこで今回のコーメー氏喚問でさらけ出された最も重大な証言は、彼が「機密にすべき情報」を他人に漏らし「リーク」したことを自ら認めたことでした。しかもそのリークの目的が、元FBI長官で(コーメー氏曰く)「最高に尊敬できる親友である」ロバート・ミューラー氏が折から取り沙汰されていた大統領のロシアゲート疑惑を調査する特別勧告審査官に任命されるように裏から手回しをした」という意味の供述をしたのです。そして事実ミューラー氏はその通りに任命されました。これこそ裏の政府( DEEP STATE ) の仕業であると信じます。
私は今これだけ「リーク」が問題になっている最中に、事もあろうにそれを取り締まる立場にいる FBIの長官自身がリークしたこと、しかも彼はあまりそれを「重大な過失罪」として認識していないことに気が付いて愕然としました。そうであるならリークは今回だけであるはずはなく、今後はそれが追跡されて当然と思います。
尚、「ロシアゲート」とは、昨年の大統領選挙でロシヤがトランプ側と結託して妨害介入したという疑惑問題ですが、最近の民主党はこれを大事件として執拗に煽り立て世界をかく乱しております。その目標はひとえにトランプ大統領を弾劾impeachすることにあり、そのためなら僅かなことでもすべて弾劾の理由にこじつけようとしています。しかし実際には、トランプ大統領が明言しているように、今のところトランプ政権のロシア介入の証拠は一つも出て来ていない、そしてコーメー氏自身も大統領介入への疑惑調査は全く行われていなかったと今回証言しているのです。
ここで、参考迄にリック・ジョイナー師の意見をご紹介します。師は「今回のコーメー証言はソープ・オペラを見ているようなもので、結論をいえば、コーメーは自らの墓穴を掘り、トランプが勝利したことは明白です。コーメーはいよいよトラブルに落ち込みました。彼は一度は『絶対にリークしたことはない』と宣誓しておきながら、今回、友人に『リークした』と打ち明けたのですから、これはまさしく偽証罪に問われます。
又、民主党はといえば、今回のコーメー証言から徹底的に『あら』をしぼり出し、それを材料にしゃにむに『トランプ弾劾』にもって行こうとしています。悲しいことに彼らには今それしかできないのです。しかしそのことに、やっと心ある民主党員も民衆も気が付き始めました。一方共和党はどうかといえば、民主党と同じ程、問題だらけです。正直なところ、ここに至ってはアメリカの二大政党政治そのものが、それを修繕すこともできない程完全に崩壊してしまったと思います。
トランプ大統領は、今国内だけでなく世界中から憎まれ攻撃の的になっていますが、彼は窮地に立たされれば立たされる程、神が彼を救出し、彼の実力と名声は逆に上がる一方です。そうとしか考えられません。そして今回もそうなるでしょう。それは彼が神の特別の好意を受けていて、神からのデスティニーと目的を持っているからです。アメリカの歴史を見て下さい。彼以上にメディアと民衆から嫌われてた大統領がいるとすれば、それは暗殺される前迄のリンカーン大統領です。リンカーンを嫌った人たちは、彼が殺されてやっと彼がどれ程偉大なことを成し遂げたかに気が付いたのです。トランプ大統領は同じように、これからも嫌われ、やることなすことに妨害され続け、大統領として本当に自分がしたい仕事ができるようになるまでには一年かかるでしょう。
ところで私は今回の証言台でのコーメーの言動からは好ましい印象は全く感じられませんでした。なぜでしょうか。それは彼が証言した事柄の他に、人に言えないようなもっと深い大きな事実を隠しているからだと思います。オバマ大統領の任命した人たちで未だに政府職に残っている人が大勢います。コーメーはその人たちが隠していること、絶対に明るみに出せない陰謀、あるいは知られたくないわいろ=多大な闇の資金を使った悪事が予想以上に大きいことを知っているからであると思います。そうでなければ、ここ迄執拗にトランプ大統領を弾劾し失脚させようと焦る理由は他に考えられません。これらのことはすべて明るみに出されねばなりません。間もなくそれが始まり、前政権下の悪事がどんどん暴かれると思います。それがトランプ大統領の召命であると私は信じます。
いずれにせよ、これだけ徹底して議会審議が妨害遅延され、又、メディアに反対攻撃されながらも、トランプ大統領がこの4−5ヶ月の間に、政治・経済・軍事・外交面で成し遂げたことはめざましいものがあります。ほとんどのメディアはそれを報道しませんから、残念ながら世界の人々は知らされていないのです。
(以上がジョイナー師のコメントです。)
北朝鮮の核兵器保有の危険性
ジョイナー師は続いて、この数ヶ月くり返し北朝鮮の核兵器の脅威について述べていますが、最近、下記の記事をフェイスブックに載せて、それを更に強調しています。
「The Sun、 a new UK news Corp.)・・・その筋の上級専門家(Mr. Lewis )
によれば、北朝鮮は既にアメリカに到達するための大陸横断用核弾道ミサイルを打ち上げる技術において、僅か後一歩のところ迄来ていると言う。
北朝鮮は既に近い将来使用するICBMの頭に取り付けるコンパクトな核弾頭は開発済であると信じられ、その最後のハードルは、弾道ミサイルが打ち上げられた後で、大気圏に再突入する際に起こる強烈な空気摩擦によるショック、激しい振動、並びに急激な超加熱に耐えるだけのものを造り上げる技術の開発を残すだけとなった。その開発において、既に昨年地下グラウンド・テストに成功しており、最近の数ヶ月で最後の仕上げを急いでいると言われる。その報道とは別に、最近テストされた四つの新兵器の内の一つは、超精度を誇る短距離誘導ミサイルで、それはグアム島の米軍施設に迄届く(訳者注:勿論日本にも)と言われる。又、対軍艦用のクルーズ・ミサイルも既にテスト済という。」
北朝鮮のサテライトは EMP 攻撃に理想的な手段となり得る
続いてジョイナー師は下記の記事を引用して、次の事態が現実に起こり得ると声を大にして警告します。
「『北朝鮮は現在、地球の周りを周回する複数の人工衛星を持っていると言われ、そのサテライトを利用して、EMP ( Electric Magnetic Pulse ) 爆弾をアメリカ上空で落とす可能性が強くなって来た・・・』と書いた Oli Smith の記事(5月27日)を紹介します。
この EMP爆弾による被害とは、低レベルのEMP爆弾によっては、すべてのエレトロニックス・システム(コンピューター等)が少なくとも一時的にとまります。又大きな爆弾ならば、すべての電気とエレクトロニックス関係の器具、パルス(音響、波動、電波)のいかなる機器電源も損なわれ、飛行機、船舶、自動車、すべての乗り物は止まり、上水下水システムも停止=事実上食料生産も含む通常の文化生活ができなくなります。但し、この爆弾による被害は上記の電気、エレクトロニックス機器に被害が及ぶだけで、その他の人体、動植物、物体には影響がないのです。しかし通常の生活が完全に麻痺しますから、最悪の場合一年以内にほとんどの人間は死に絶える可能性がある、と言われます。
そこで、このような被爆を受けた後に生き延びるためには19世紀以前の生活様式(即ち電気器具やコンピューターの無い生活)に戻らねばならない。これが映画・小説の世界ではなく現実にいつでも起こり得る世の中になったのです。北朝鮮は他国をこの爆弾で攻撃できる用意ができているといい、彼らがアメリカ本土を全滅する核戦力を持つのは時間の問題と脅迫するのはあながち嘘ではないのです。
そこで考えねばならないことは、第二次大戦前に、イギリスがドイツのナチが台頭し始めた最初の頃に攻撃しておけば、被害は最小限に留めることができたはず、それをしなかったがために第二次大戦という大変な被害を世界が受けることになったという事実があることです。この教訓は今こそ当てはまります。北朝鮮に対して今の段階で敏速に手を打たないと、ナチと同じように手遅れとなり多大な犠牲を払うことになりかねないのです。」以上がリック師の警告です。
とりなしの祈りのお願い
そこで、最後に私自身が申し上げる事があるとすれば、私たちがクリスチャンであり、クリスチャンこそは「祈り」という最高の武器を持っているという事実です。神は私たちが信仰で主に祈る事を待っておられます。そして御存知のように私たちの正しい信仰の祈りは絶対に聞かれるのです。
悪魔がどのようにあがいても、又、闇が深くなればなる程、私たちが信仰で祈れることによって、必ず勝利するという「証し」ができることを私たちは忘れてはならないと思います。悪魔は「うそ」をならべて「惑わし」「威嚇」「恐れさす」ことしかできません。一方、「信仰」と「真実」と「祈り」を持つクリスチャンは、何一つ恐れる必要がありません。なぜなら勝敗は既に十字架に着かれたキリスト・イエスによって圧倒的勝利が決まっているからです。
今、世の中が前代未聞の荒廃と真っ暗な闇の中に突入しつつあるように見えるとすれば、私は興奮します。なぜなら、いよいよ、それは私たちの前途に「前代未聞」の圧倒的「勝利のリバイバル」が近づいて来ている前兆であると信じて止まないからです。現代を生きるクリスチャンは、その「主による大勝利」の証人となるべく、最後の時代の働き手として訓練され生かされて来ているのではありませんか。どうぞ日本の皆様の力強い圧倒的な「とりなしの祈り」を期待しています。(終り)