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01 5月

中国のリバイバル      ユージン・バック(バック・ツー・エルサレム)        2017年5月1日


中国のリバイバル

 

ユージン・バック(バック・ツー・エルサレム Back To Jerusalem )

 

中国は今、世界最大のリバイバルを経験しています。毎日2万8千人から3万人の人がイエス・キリストを救い主として信じて救われています。そう言うと人々は「そのようなことが、そんなに長く続くはずがないでしょう。」と言います。でもこの現象は20年ほども続いているのです。世界は中国でこのようなリバイバルが起こっていることにやっと気がついたところですが、それは世界中に影響を及ぼしています。というのは、中国は世界的に見て、経済的にも軍事的にも大きな存在となってきているからです。

「中国のリバイバルが他の国で起こっているものと違う点はなんですか?なぜこのように大きなリバイバルがこのように長期間起こっているのですか?」と私は牧師たちに聞きました。

私のまわりにいる牧師の殆どは、非常に素朴な農民出身の人達です。一人の牧師が最近彼の伝記を出版しましたが、1千万人の教会を牧している人です。私は「どのようにして1千万人の教会を立て上げたのですか?その方法がわかれば、本にして多くの人の助けになると思います。」と言いました。

彼は、「私たちは祈りました。それから迫害されましたね。」と答えました。私は「それから?」と聞くと、彼は「それだけだと思います。」と言うのです。私は「私が知りたいのは、どんなシステム、どんなプログラム、どんな訓練方法を用いたのですか、ということです。」と更に聞きました。彼はそれには答えずに彼が受けた迫害について話し出しました。私がそれまで持っていた考え方では理解できない領域でした。私たちは何かの方式で教会を成長させることはできないのです。成功している教会の真似をして達成することではないのです。

 

私は中国のリバイバルについて研究し始めたとき、本当に驚かされ、また同時に混乱しました。それについてお話する前に聖書を開きたいと思います。

第一サムエル17:38、39「サウルはダビデに自分のよろいかぶとを着させた。頭には青銅のかぶとをかぶらせ、身にはよろいを着けさせた。ダビデは、そのよろいの上に、サウルの剣を帯び、思い切って歩いてみた。慣れていなかったからである。それから、ダビデはサウルに言った。『こんなものを着けていては、歩くこともできません。慣れていないからです。』ダビデはそれを脱ぎ、、」

私は中国に行ったとき、この箇所を思い出しました。中国のカルチャーは万事が非常に異なり、私には理解できませんでした。その中で私に「中国人を変えて、私と同じようにしたい」という思いが涌き上がってきました。少し中国人らしくなくなって私のようになる人を造りあげたかったのです。私は自分のよろいを脱いでそれを中国人に着せたかったのです。「自分はそのよろいでうまく行ったから、中国人もうまく行くに違いない」と考えたわけです。しかし、神は一人ひとりにユニークな戦い方を与えておられることを私は知るようになりました。

 

リバイバルの秘訣を牧師に聞いたとき返ってきた答えは、アメリカの教会で育った私の頭では理解できないものでした。でも神は私たちがいくら考えても絶対に理解できない大きな方であり、リバイバルのためには幾つもの道を備えておられる方なのです。

中国のキリスト教の歴史は長いですが、ほんの100年さかのぼると、ボクサー・リベリオン(反乱)というものがありました。アメリカやヨーロッパからの圧制者がアヘンをインドから中国に持ち込み、多くの中国人をアヘン中毒にしましたが、それに対して中国の国内からボクサーと呼ばれた人達が立ちあがり、外国人を追放しました。これに関しては歴史を調べればわかるのですが、人々が見落としていることがあります。それはボクサー・リベリオンが起こったとき、歴史上最多の数百人にも上る宣教師が殺害されたのです。この反乱は、すべての西欧の影響を追放し撲滅するというものでしたが、それだけではありませんでした。中国内でクリスチャンの数が増えてきたことに脅威を抱いた敵がいたのです。ボクサーと呼ばれた人達は悪霊が自分に取り付くように祈りました。それによって弾にあたっても死なないようになると信じていたからです。そして彼らが戦ったとき、悪霊は彼らが一つのグループに標的を当てるように指示したのです。クリスチャンです。彼らはキリスト教宣教師の家族を捜しだし、市中に連れてきて集団で殺害しました。数百人の宣教師が家族と共に惨殺されました。そして中国人でクリスチャンになった人達も同時に殺されました。中国からすべてのクリスチャンを抹殺するのが彼らの計画だったのです。少なくとも10万人の中国人クリスチャンが殺害されました。

それによってクリスチャンは根絶やしにされたかに思われたのですが、それと同じ1901年にカンサス州トピカの教会で、アグネス・オズモンドという婦人が、北米で始めて異言を語り始めました。3日間、彼女は英語を話すことができず、異言で中国語だけを話したのです。中国で多くのクリスチャンが惨殺されていたのと同じ時に世界で何かが起り始めたのです。それは誰にも説明ができないことです。

1904年にはウエールズ・リバイバル、1906年にはアズサストリート・リバイバルが起り、そしてそこから宣教師が送り出されました。そして殺害された宣教師の数を越える多くの宣教師が中国に派遣されました。何千人もの宣教師が船で中国に渡り、福音を語ったのです。

 

これを知ったとき、私は次の箇所を思いました。

第一サムエル21:9「祭司は言った。『あなたがエラの谷で打ち殺したペリシテ人ゴリヤテの剣が、ご覧なさい、エポデのうしろに布に包んであります。よろしければ、持って行ってください。ここには、それしかありませんから。』ダビデは言った。『それは何よりです。(There is none like it. それに優るものはありません。)私にください。)』

敵がダビデを殺そうとして用いた剣が、今ダビデの武器となったのです。中国の教会を滅ぼそうとして遣わされたものが、キリストに栄光を与えるものとして用いられたのです。

 

アメリカやヨーロッパから中国に派遣された宣教師たちが、今中国で起こっているリバイバルのルーツなのです。私たちは先に遣わされた宣教師の肩の上に立っているのです。そして、現在の宣教師たちは、恵みを中国だけに留めておこうとは考えていません。彼らは福音を「10/40の窓」に運んでいます。それは2つの壁(中国の万里の長城とエルサレムの嘆きの壁)の間の国々のことです。この地域に世界人口の三分の二が住んでいます。世界で福音を聞いたことのない人達の十分の九が住んでいます。しかしこの地域の宣教のためにつぎ込まれているお金は非常に少ないのです。この地域が激しい暴動の中にあるのも不思議ではありません。中国のクリスチャンは「このような時のために」10/40の窓に福音を届けるために立てられていると信じています。

中国人はシルクロードを通って各地に行った歴史を持っています。今彼らはその道を用いて福音を持ち運んでいます。少なくとも10万人の宣教師がいろいろな国に送られていて、私はその働きを助けています。シルクロードは危険を伴っています。今中国のクリスチャンは大きな迫害にあっています。一時、ある地域では迫害は少なくなりましたが、最近は又大きくなってきています。中国だけではなく世界で迫害が激しくなっており、2016年には世界で少なくとも9万人が殉教していますが、これは現代では最大の数です。10/40の窓におけるクリスチャン迫害も大きくなっています。

 

現在の習近平主席は中国でのクリスチャンの影響力が強まっていることを警戒し、教会を迫害し始めました。去年の5月のことですが、政府は私の同労者である牧師の教会を破壊せよと命令しました。牧師夫妻は教会の前に立ち、ブルドーザーが会堂に進むのを阻止しようとしました。戸惑うブルドーザーのドライバーに対し、政府役人は牧師夫妻をそのまま生き埋めにするように命じました。夫の方は自分の上に被せられた土を除いて脱出することができましたが、妻はそのまま殉教したのです。しかし、その地域の伝道の熱意はますます強くなりました。

 

「I Stand With Christ」という本が1千万のメンバーを持つ教会の牧師によって昨年出版されましたが、私は彼に「どうしてあなたの教会はこれほど大きくなったのですか?」と質問しました。彼の答えは次のようなものでした。「最初は私の家族だけで聖書研究をしていました。私は逮捕され投獄されましたが、釈放されて家に帰ると新しい人々で家は一杯になっていました。私はまた逮捕されましたが、釈放されて帰ると村全体がクリスチャンになっていました。私はまた逮捕されましたが、釈放されて帰ると教会はまた大きくなっていたのです。ですから私が言えるのは、教会を大きくするためには牧師を牢屋に入れろということです。」(笑)

中国のクリスチャンを滅ぼすために敵がしたことが教会を爆発的に成長させたのです。習主席が去年「クリスチャンをコントロールせねばならない。」と言ったことにより、国内の迫害が激しくなっています。ところがどうでしょう、2016年に彼は「One Belt, One Road」という政策をそれまでより推進し始め、シルクロード上の国々との経済的関係を深めました。宣教師たちは勿論宣教師としては行けませんから、会社社長とかビジネスマンのビサでイラン、イラク、サウジアラビアに出かけています。中国政府は図らずも彼らの後押しをしてくれたのです。

 

私の家族は5代前にドイツから来ましたが、もっとさかのぼればイラクから来たのです。聖書の言葉を真実とするならば、私たちは皆イラク出身です。中国のクリスチャンは「私はイラク人です。」と言い始めました。彼らは外見はまったくイラク人には見えませんが、「私はイラク人です。私は福音をイラクに届けねばならないのです。」と言っています。そして私たちはイラクに行き、400人の学校を作りました。ISISから暴行をうけた少女たちの擁護をする施設も作り、中国人たちがお世話をしています。学校では中国人が英語を教えています。もし皆さんがイラクに行きジャッキー・チェンのような英語を話す人に出会ったら、彼らが誰から英語を習ったか分かります。(笑)

私たちは聖書をどのようにしてイラクの人々に届けられるかを考えました。手の平に入る非常に小型のEバイバルを開発しました。これは7年間チャージしなくても読み続けられるバイブルです。これをどのようにイラク人に手に渡すかを考えました。そしてドローンでこれを軍隊の上に飛ばして、そこから落下させることにしました。そしてそのために更に小さなコインほどの聖書を開発しました。手の上で揺すると聖書がホログラムとして出てくるのです。創世記から黙示録まで全部です。私も実物を見るまで信じられませんでした。電池もいらず、チャージも必要ではありません。

聖書が禁止されている場所にでも運ぶことができます。見つかってもそれが聖書であるとは、誰もわかりません。これが今中国の教会が失われた魂のためにしていることです。私たちの世代に世界のすべての人々に聖書を届けることが可能だと私は信じます。そして王の王なる方をお迎えすることが出来るのです。私はイラクから香港経由でアメリカに来ましたが、出発した時間より一時間前に到着しました。今私たちは素早く福音を広められる技術をもつ時代に住んでいるのです。迫害が迫ってきている今、後退するべき時ではなく、前進する時です。人類の歴史上、最も遠くに、最も素早く、最も深く進んでいける時なのです。(終り)


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