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10 4月

あなたの収斂(コンバージェンス)の時      ランス・ウオルナウ    2017年4月10日


あなたの収斂(コンバージェンス)の時

 

ランス・ウオルナウ

 

  「収斂・収束(コンバージェンス convergence)」とは暫次集合することであり、複数の事が次第に一点に集まってくることを表しますが、教会では5年ほど前から使われるようになりました。「デスティニー」は90年代からずっと用いられていますが、それに加えて「収斂」という言葉が使われ始めました。自分のデスティニーに到達するためには、幾つかの事がそれに向かって集まってくる必要があるのです。

 

収斂とは、 生まれる前からあなたのために用意されていた仕事と出会い、そこであなたの能力を100%発揮できる時を人生の中で迎えることです。

収斂とは、神があなたの人生のために書かれた台本の中を歩み、永遠のキリストの相続の実を実らせるよう神があなたに与えられた任務に人生の焦点を定める時のことです。

あなたが救われた後でするべき最も重要な事は、収斂の時を目指すことです。あなたはキリストの弟子になることを目指していますが、それは即ち、クリスチャンとして収斂の時を目指すことに他なりません。

 

クリスチャンの収斂について30年間研究をした有名な神学校の教授がいます。彼は自分の学生たちの入学時から卒業、そしてミニストリーに入ってからも追跡調査をしました。卒業時に「自分は確かに神の御こころ、神の召しの中を歩んでいると思う」と答えた学生は、驚くべきことにわずか20%でした。私にとって最大の関心事は、クリスチャンはどうしたら収斂に到達できるのか、又、到達できない理由はなにか、を知ることです。残り80%の人たちが自分の召しをはっきりと知り、そこに到達するためのクラスがあったらいいと思いませんか?

この教授と親しく交わる時が与えられましたが、彼はクリスチャンとしての最も崇高な召しは、牧師の召しだという考えを持っていました。しかし私の考えは違います。フルタイムミニストリー、献身、は牧師や教職者に限らないと思います。それはすべて、収斂を達成したクリスチャンができることです。すべての分野において頂点に立つクリスチャンはフルタイムミニストリーをすることができるのです。社会の各分野で最高の能力を発揮して大きな影響力を持ち、神の御国を拡大することができるのです。義人が社会で力を持つとき、それは教会に勢力をもたらすことができるのです。

 

収斂の5つの要素

 

1.神の主権。(あなたの性別、人種、国籍、家族、家庭環境、才能、性格、生まれた時代、生まれた場所はすべて神が定められた。)あなたは神のご計画のもとに生まれ、神に従って生きる時に勝利の人生を送ることができる。まず自分が置かれているところを調べる。(あなたはすでに神の恵み、特別の愛顧、フェイバーを受けていることが分かるでしょう。)それは神が備えられたあなたの収斂への要素の一つです。

2.霊的形成。これはあなたが主に出会い、あなたの人生に主が介入されたときから始まります。これが収斂への要素の一つであり、神が書かれた台本に従って人生を進み始める第一歩です。

3.賜物の発見とその育成。何かを始めて失敗したとしたら、それは苦手なことを教えてくれる大切な経験です。いろいろと試してみることによって、あなたが得意なこと、上手にできることを発見します。才能を見出し、技術を磨くことが収斂のためには大切な要素です。

4.人間としての成熟。自分はよい仕事ができると思ってもその道が開かれず、思うように次の段階に行けないと感じる時がありますし、結婚、子育て、両親の世話等々も起こってきます。経済的困難も経験するでしょう。そのような時期を信仰をもって耐え忍ぶとき、神に用いられる器へと成長していきます。

 

収斂に辿りつくのを妨げる最大のものは、様々な反対や妨害であり、誰もが経験することですが、収斂のためにはそれを乗り越えねばなりません。もしあなたが途中で負けてあきらめたり止めてしまうならば、神はまた一からやり直さねばならないのです。

聖書のすべての人物は恥や迫害、妨害を忍耐して乗り越えたのです。イエスは昇天する前に「大きな妨害」に合いました。それは十字架であり、人々から見捨てられることでした。しかし主は「ご自分の前に置かれた喜びのゆえに(ヘブル12:2)」すべてを耐えられたのです。

 

5.習得した技

アップルの創設者であるスティーブ・ジョブ氏は、大学を中退してから、カリグラフィー(習字、文字を秀麗に書く技法)に興味を持ち、それだけを何年も習っていました。それでどうやって生計を立てるのか全くわかりませんでしたが、兎に角、自分が好きなことの技を磨いたのです。そして彼がコンピューターを作り始めたとき、それは多くの書体を用いることができるユニークなものとなりました。アップルはグラフィック・アーティストが最も好むコンピューターとなり、IBMと並んだのですが、それは彼がカリグラフィーの技を習得していたからです。後になって彼は言っています。「いろいろな要素がどのように結ばれて収斂するのか、それはわかりません。ただ自分の情熱を注ぎたいことに全部注いでいくのです。」と。

 

もしあなたがいろいろ始めてもすぐに飽きて止めてしまうならば、収斂に行き着くことはできません。それではあなたが持つ賜物、才能の可能性を最大限に発揮できないからです。一時非常に熱心になったかと思うと直ぐに冷めてしまう人もあります。しかし収斂にまで到達する人は、その事を続けます。上達し進歩して行く間には、必ず「あまり進歩が見えない退屈な時期」にぶつかりますが、その時期を通りすぎると、突然又上昇する時が来ます。何万時間ものコツコツした努力の中で最高の技は磨かれるのです。

このような段階を通るうちに、あなたは「これこそ私がするべきことだ。これが神からの召しだ」という収斂の時を迎えます。

 

ヨセフの人生は収斂のよい例です。彼は逆境に何度も遭いました。エジプトに売られた時に彼は農業と言語を習得しましたが、それは神が彼を後の昇格のために整えておられたのです。ヨセフはそれを知りませんでした。自分は本来あるべき神のご計画から逸れている、自分のいる場所はここではない、と思っていました。しかし、これは非常に重要なことですが、ヨセフはどのような逆境にあっても神の臨在を喜ぶことを知っていたのです。創世記39章には何度も「主がヨセフとともにおられた」と書かれています。それは即ち、彼が苦々しさ、失望、皮肉、混乱等の否定的な思いによって神の油注ぎを遮断してしまう霊的環境が自分に入り込むのを決して許さなかったということです。彼は油注ぎをしっかりと護ったのです。

彼は必ず父の家に帰ることを願い、又信じていましたから、エジプトで自分の身に起こっていることは全く理屈にあっていませんでした。しかしヨセフがデスティニーに向かって整えられていくプロセスを見れば、彼が経験したすべての逆境の意味が私たちには理解できます。

ヨセフの「用意が整った」時、パロの夢を解き明かすチャンスが来ました。神の彼への最高の召しは父ヤコブの牧場ではなかったのです。もしヨセフが父の家に戻っていたならば、兄達との再会場面は惨劇となっていたことでしょう。神のご計画は家に帰りたいというヨセフの祈りを否むことだったのです。

 

ヒットラーの台頭によりイギリスが困難を極めていた時、ウインストン・チャーチルは65歳でしたが、「私が生まれたのは、この時のためであった。私の全てのデスティニーはこの時のためであった。」と言ってエネルギーに満ちて総指揮をとったのです。

収斂の時に来たとき、あなたは力に満ちるのであり、それは年齢とは関係がありません。永遠があなたのために計画したことを収斂のときに実現できるので、あなたはいのちに満ちあふれるのです。

 

収斂の時に与えられた仕事は、神の目的を担う、神の重荷を共に負うことであり、あなたは神のためにそれを成し遂げる最高の栄誉と喜びを受けます。あなたは情熱を持ち、あなたがそれまでに鍛えた技が100%用いられるので生き生きするのです。

 

あなたが犯した間違いは、二度とそれを犯さないための訓練となり、神はそれをも用いてくださいます。神は過去の間違いを贖ってくださり、あなたを用いてくださいます。あなたが自分はもう資格がないと思うことも、神は贖ってくださり、次のシーズンのために用いてくださるのです。

 

 

 

研究によると、収斂は西欧においては50歳をすぎてから起ります。そして最大に機能し貢献するのは、60歳から70歳の間ですが、もし健康であるならば、70歳から80歳が最高に働ける期間となるのです。

 

あなたの人生のすべての要素が、ある時突然一つに収斂し、神の目的のために最高に用いられる時が来て、あなたの人生は意味あるものとなります。

私の祈りは、皆さん一人ひとりがそのような時を迎えられることです。(終り)


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