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04 3月

危機を迎えたかに見えるトランプ政権(二)      坂 達 也      2017年3月4日


危機を迎えたかに見えるトランプ政権(二)

 

 坂 達 也

 

「共和党は、幾つかの主要な州で党の大統領候補を勝たせるための特別な努力をした結果、州毎の選挙人による全体集計でかろうじて過半数を獲得し、大統領選に勝利しました。しかし、一人ひとりの投票者による人気票は僅か40%しか獲得できなかったため、民主党側の不満は爆発し大混乱となりました。選ばれた大統領がワシントンに到着するに当り、あまりにも多くの暗殺の脅迫状を受け取ったため、選ばれた共和党大統領のワシントン入りは秘密裏のうちに行われました。就任式は、街の主なビルに軍隊を配置させるほどの緊張のうちに、未だかってない程の警備体制の中で行われました。多くのコングレスの議員たちは式に参列するのを拒否しました。」

 

 以上を読まれた方の多くは、私も含めて、てっきり今回のトランプ大統領のことかと思われたに違いありません。しかし実は上記の文章の最後は次のように結ばれています。

「このような事態の中で1861年3月4日、アブラハム・リンカーンは第16代大統領に就任しました。」

 

 上記はリック・ジョイナー師がフェイスブックに載せた記事ですが、彼が言わんとしていることは、今のアメリカで起こっていることは、建国以来、同じことが既に二度三度と起こったことが多く、特に驚き、慌て恐れることではない、と言うことのようです。

 

リック・ジョイナー師と「モーニングスター・ミニストリーズ」

 

 ここで皆様は、私が頻繁にリック・ジョイナー師を引き合いに出すことにお気付きかと思いますが、 今回その理由をご説明させていただきます。

 率直に言って、今トランプという新大統領が突如現れて困惑しているのはアメリカ国民だけではありません。むしろ世界中の人々が彼をどう考えたらよいのかを全く扱いかねているというのが正直な状況であると思います。私は昨年来、そのような型破りなトランプ大統領のことを頻繁に書かせていただいておりますが、それは私がたまたまアメリカに住んでいるからという理由で興味半分の「時事解説」をしているつもりは全くないことをお断りしておきます。第一、私にはそれだけの知識も資格もありません。しかし唯一つだけ確信していることは,トランプ大統領は神が選んで今のアメリカに送った人であること、しかも、彼は最近ボーンアゲインしたクリスチャンであること、そしてその意味を真に理解出来る人はクリスチャンに限られることです。とは言っても、残念ながらアメリカのクリスチャンの多くがトランプ氏に強く反感を持っていることも厳粛な事実です。

 

 それではトランプ大統領を信頼出来る人とはどんなクリスチャンなのでしょうか。それは聖書に書かれた神、イエス・キリストを真に正しく理解し、その「創造者の神」に絶対の信頼を置く、揺るがない信仰の人でなければならないと私は思います。参考になる聖書箇所の一つは詩篇46章です。ぜひお読み下さい。

 

 私たち WWGM では最近、ジョイナー師の他にマイク・ビクル師のメッセージをご紹介しましたが、これからビル・ジョンソン師のものを掲載する予定です。それは主が多くの使徒的預言的なリーダーをアメリカに立て、その人たちにそれぞれ違った見方、考え方を持たせることによって、御国全体を建て上げるための違った任務をそれぞれのリーダーに与えておられることを皆様にお知らせして行きたいと思うからです。

 そのようなクリスチャンの中でも、私は、リック・ジョイナーという人は、神が最後の時代のために特別に用意された「政治・経済」を担当する特別な「御国の使徒・預言者」の一人であると信じております。そのリック師のミニストリーを今回はご紹介させていただきます。

 

 リック師は、マタイ24:45ー46をモットーとして掲げ、モーニングスター・ミニストリー(以下MSMと略します)を確立して30余年、直下に4つの教会を持ち、それぞれに確立した牧師を立て(師自身も説教をします)、その他、助けを必要とする世界中の教会に手を差し伸べ、何千人と言うミショナリーを世界50カ国に送っています。そして師は、主に示されて特に教育に力を入れ、幼稚園から大学迄一貫した学校を設立し、それにワーシップリーダーを育てる学校を加え、ほぼすべての分野でのリーダーを使徒訓練することに専心して来た人です。その彼に主が直接多くのビジョンを与え、そに従って書かせた本が50冊以上にもなります。

 主は又、そのためにボブ・ジョーンズ師のような卓越した預言者を送り、ジョーンズ師は、リック師のミニストリー形成の過程のほとんどを逐次神の預言によって指導しました。それによってMSMは、今では世界中のクリスチャンを対象にしたインターネットチャーチ、ビデオ・ミニストリーを発信し、又、年間を通じて多くのテーマを強調する種々のカンファレンスを主催しております。

 それだけではありません。御国における政治・経済・社会・教育等の広い分野で「主の御国の達成」のための具体的な活動を組織し、助け、それぞれの分野でリーダーを育成する「オーク・イニシャティブ」というユニークな活動も行っています。このMSMの経営理事の中には預言者、軍人、ビジネスマン、教育の分野で活躍するそうそうたる経歴を持つ社会人の権威者が集められており、リック師の「御国を建て上げる」ミニストリーを助けております。

 私たちはここ数年、リック師のMSMのパートナー・メンバーとなっていますが、それによって、アメリカの現状を皆様にご報告する色々な貴重な資料を得ることができます。勿論MSM以外にも広く情報収集に務めていますが、今回は次の四つの理由により、リック師の意見を特に重視していることをお伝えします。

 

(一)彼はほぼすべてのことに主からの預言的指示を受けている人であること。私はこれは大変重要なことであると思います。

(二)主が来られる直前の終末の時代に起こることと、その時に具体的に主がクリスチャンに期待する「御国達成」の仕事が何であるかをしっかりと把握している。

(三)彼はアメリカの歴史、特にクリスチャン国としての政治形態の歴史と憲法に精通していて、又、人間の歴史、世界の歴史に関する聖書解釈の権威者でもあります。その基本的聖書解釈は下記の通りです。

 

 「神は人を、ご自分のかたちに似るように造られた」という聖書の意味するところは「それぞれ違った人種が違った文化を持って集り、国を造り、それぞれが仲良く神と共存するように造られた」のであって、そのような国はそれぞれが国境を定め維持する(使徒行伝17:26等)のが神の考え方であると彼は言います。

 その意味で皆が同じ考えと同じ生き方だけに統一され、それによって「世界統一」を目標とするようなグローバリズムは元来の神の考え方ではありません。むしろ悪魔こそ「世界統一構想New (One) World Order による世界統一」を目指しています。

 アメリカの歴史はそのような神の考え方を基に世界中から集まった移民の集合体であり、主な最初の移民は英国から逃れて来たプロテスタント・クリスチャンたちでした。それ以降は、世界中からの移民によって国が形成され、中でも奴隷として連れて来られた黒人が人種的には大きな要素を構成しています。そのような形成課程を持つアメリカ合衆国では、国の指導者(大統領)は最初から常に多くの反対者に囲まれ、国が二分して保守派とリベラルの二派が戦うことは、建国以来の民主共和国としてのユニークな伝統であると云えます。

 

 続いて、リック師とMSMグループの「トランプ大統領に対する考え方と、それを支える主な預言の数例をお伝えします。

(一)トランプ氏は「イザヤ書45章のシラス王のような人物」で、前代未聞、桁外れの行動力を持つ大統領として、主が使命を持たせて送られた人物であること。

(二)トランプ氏は、都会の裏路地で四方八方から来る敵と戦う「路地ファイター」に似て喧嘩に強い人。アメリカはそのようなリーダーがある一時期(今)必要であることを示されたのです。

(三)トランプ氏の考えはポピュリズム(大衆迎合主義)とか、「アメリカ第一」を主張することが非難されますが、 むしろ今の時は、主の愛に基づく「愛国心を持つ者 patriots 」によって国を建て上げることが重要であると主から知らされて来たと言います。

(四)ボブ・ジョーンズ師の最後の預言が「アメリカはリベラルな左翼が(選挙に破れ)大きな傷を受けた『手負いの獣』となってあばれる。」であった通り、今はそれが現実となったとリック師は言います。

 

リック・ジョイナー師の終末に関する基本的な理念

 

 トランプ新大統領に反対する過激勢力の急激な台頭によって、今のアメリカは国全体がまるで二派に分かれて戦う混乱状態にあります。リック師はそれを「第二の南北戦争(市民戦争)」に例える一方で、根本的にこの争いは、罪を犯したアダムとエバの最初の子どもたちアベルとカインの間で始まった争いと何ら変わりはない、今は、主を迎える直前の「終末の時代」に入っており、この時代には、人間が蒔いた良いこと、悪いこと両方の種が最終的に最大限に実る時である、そのすべての実りを私たちが刈り取る時であるといい、それがイザヤ書60:2−3に書かれていると指摘します。

 「・・・見よ。やみが地をおおい、暗やみが諸国の民をおおっている。しかし、あなたの上には主が輝き、その栄光があなたの上に現れる。国々はあなたの光のうちに歩み、王たちはあなたの輝きに照らされて歩む。」

 

 その意味を私は次のように解釈したいと思います。すなわち、「先ず悪い種の実りが地上に満ち溢れ時が来る。その時は闇が地上をおおう時となる。しかしその時に御国の民の上に主が輝き、主の御国の民であるクリスチャンが闇を制し、彼らの勝利の上に主の栄光が現れる。その時に私たちは良い種が実る最大最高のリバイバルが来る。」

 

 リック師は「今大変な事態がトランプ大統領とアメリカの上に起こっているが、それは戦いの始まりに過ぎない。この戦いはこれから益々激しくなるーしかし私たちは最終的には間違いなく圧倒的に勝利し、そして最後の大収穫のリバイバルを刈り取る時がやって来ます。」と言い、今起こっていることのすべてに非常に楽観的です。主がそうであるように、私たちも、何が起こっても常に喜びに溢れ、絶えず祈り(主との交わり)すべての事に感謝し、主の臨在と平安の中で生きることを提唱しています。

 

アメリカ合衆国議会合同会議での大統領演説

 

 最後に、2月28日にアメリカ合衆国議会下院議事堂で行われた会議において、上下両院議員と、最高裁判事、軍の首脳メンバー、大統領閣僚等(それに家族を含む多数の招待者が観客席に参列)の前でトランプ大統領が演説しましたが、それについての反響をご報告します。

 これは大統領が国民とその国民が選んだ議会に対して、大統領としての施政方針を発表する恒例の行事の一つですが、今回の演説は、折から国を二分して激しく争って来た共和・民主二党に対して、トランプ大統領自身が今迄の激しい喧嘩口調とは打って変わって、大統領にふさわしい格調のある落ち着いた声で国の危機を力説し、両党並びに国民へ「小さなことで争うのを止め」国の再建のために「一致と協調」を呼び掛けたのです。しかも彼はこのような演説にありがちな内容のない美辞麗句を全く並べず、単刀直入に実質的で内容が充満した提案をしたのです。これにはさすがのリベラルなCNNでさえ「すばらしい演説であった」と誉め称えました。ある人たちはアメリカ史上最高の大統領演説ではなかったかと評価する程の内容でした。

 特に新大統領命令による最初の犠牲者として、イエーメンにおける対テロとの戦いで戦死した海軍軍人ライヤン・オーエンズ海軍シール特殊部隊員の未亡人が、二階席の大統領家族の席に招かれており、彼女に向かって戦死した夫を「英雄ライヤン」と呼んで大統領が称えた時には、会場は騒然となって全員が立ち上がり万雷の拍手を未亡人に送りました。オーエンズ夫人は抑えようとする涙が抑えきれず、ついに天を見上げてむせび泣く姿を見上げた観衆の拍手は2分近くも続きました。恐らく会場で涙を流さなかった人は一人もいなかったと思いましたが、私たちも含めテレビで見ていた人の多くも目頭が熱くなるのを止めることが出来なかったと思います。敗戦国日本で育った私には、アメリカに渡った時初めて日本では味わえない「国を愛すること」のすばらしさに遭遇しましたが、今回もその感激を改めて味わうことができました。

 翌日の電話による世論調査の結果は、トランプ大統領の演説をポジテイブ(良かった)と答えた人が78%、ネガテイブな人は僅か21%、又、これでアメリカの先行きは楽観的と答えた人が69%であったそうです。これで極端にリベラルなメデイアとか左翼政治家たちから国民が離反するようになることを切に望みます。

 

 しかし戦いは始まったばかりです。最後のあがきに入った悪魔の攻撃は世界中でこれから益々激しくなることを覚悟しなければなりません。

 ですから、今最も必要なことは日本のクリスチャンの皆様が、日本と共にアメリカのため、そして世界のため、特に最終的に世界中を巻き込んでの戦場となるイスラエルの為にとりなして祈っていただくことではないでしょうか。どうぞ引き続きお祈りください。(終り)


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