「ゾーン」体験 リック・ジョイナー 2016年8月24日
「ゾーン」体験
リック・ジョイナー
イザヤ26:3「志の堅固な者を、あなたは全き平安のうちに守られます。その人があなたに信頼しているからです。」
私はNFL(全米フットボールリーグ)とNBA(全米バスケットボール協会)の選手たち数十人のリトリートに参加したことがあります。その中の多くは非常に有名な選手でした。私は長年、リーダーになる人達の資質に関する研究をしてきました。 ある人々がその人よりもっと生まれつき才能のある人よりも成功を収めているのはどのような理由かを理解したいと思っていたからです。スポーツ選手である彼らの幾人かと雑談をしている間に、私のこの疑問に対するベストな答えがいくつか引き出されていました。スポーツの話をするときに度々耳にする言葉の一つに「ゾーン」があります。それは心と身体が完全に調和している状態で、その選手の持つ普段のレベルを越える能力が発揮される時のことを指します。
ある選手がゾーンに入ったときには、誰も止めることができないのです。私は彼らにゾーンについて質問を始めましたが、彼らがゾーン体験を描写するときは皆同じ表現をしました。彼らにとってそれは基本的に、「普段なら気を散らされるすべてのものを意識から完全に消すことが出来、自分のやるべき事に完全に集中できる」ということでした。
「この集中力を持続すれば自分を止められる者はいない」と感じ、実際普通そのような結果になるのです。その後、私は心理学者が書いた雑誌の記事をたまたま読んだのですが、彼の専門はスポーツに関することであり、彼もまた「ゾーン」に特別な関心を持っていました。彼はゾーンを「プレッシャーの中で集中できる能力」と説明していました。
選手たちに最もマイナスに働くものは、興味深いことに「怒り」と「恐れ」だと彼は言っています。一瞬の激怒によって何時間もの重労働と等しい力が消費されることが研究されています。それと同じように一瞬の恐怖、或いは30分ほどの小さな怒りや不安、心配も、何時間もの重労働の力を私たちから吸い取るのです。ですから、スポーツ選手が「ゾーン」に入るには、怒りや恐れを抱かず自分のなすべき事に完全に集中し続けることが必要です。これがどのくらい出来るかによって彼らのパーフォーマンスのレベルが決まるのです。
これはスポーツ選手に限られたことではありません。怒りと恐れはすべての目標や仕事に対する最も致命的な敵です。私たちのエネルギーが怒りや心配でどれほど消耗されていることでしょうか。どれほど多くの偉大になる可能性を持っていた事業が、赦さない心や苦々しさによって挫折してしまったことでしょう。どれほど多くの信仰の業が恐れによって挫折したことでしょうか。
スポーツ選手が大試合においてベスト・パーフォーマンスをすると「スーパースター」となるように、最も偉大な信仰の行為は最大のプレッシャーの中でも主に焦点を合わせ集中することが出来るときに生まれます。それは主に焦点を更に合わせることを毎日訓練した結果です。
私たちの目標は、すべての事を「主のために」するだけではなく「主と共に」することです。私たちがすべての規則、権威、権力を越えたお方を見つめながら生きるとき、 御ことばの力で宇宙を支えておられる全能なるお方に焦点を当てるとき、私たちも又、常識を越えた奇蹟の領域に生きることができるでしょう。
今日あなたが仕事をする時、或いは家族や友人と過ごす時、もしもあなたを怒らせるようなことや失望させることが起こったならば、すぐに主を見上げてください。あなたの人生から怒りや恐れに力を吸い取らせないことを、そしてすべてをあなたの中で信仰と神の平安が成長するチャンスとして用いることを決意してください。どんな状況の中でも人々に信仰と平和を分与する器として主のために用いられることを決意してください。あなたの人生はその時変っていきます。あなたのパーフォーマンスは以前にはなかったレベルにまで上ります。それはあなたが「ゾーン」に入るからではなく、聖霊のうちに留まっているからです。訳者注:聖霊に留まることが「ゾーンのうちに留まる」あるいはその効果を生むと考えられます。(終り)