02 8月
引越し 坂 柚実子 8月2日
引越し
このハワイ便りもずいぶんとお休みをしてしまいました。
皆様、お元気でしょうか。
私は何をしていたかというと、引越しをしていました。
引越しの前はずっと家を売りに出していました。
オレゴンの家は7年間も売りに出していましたから、それにくらべれば非常に早く、7ヶ月目に売れました。
家を売るというのは、アメリカ生活ではご存知のように日常茶飯事みたいなところがあります。不動産屋からお客さんを連れて家を見に来るという連絡が8時間以上前に入るので、いざっという感じで家と庭をきれいにします。勿論いつでもきれいにしている人はこんな必要はないわけですが、我が家はそうはいかず、不動産屋からの電話があったら掃除、というパターンで暮らしました。だいたい週に一回くらいで丁度よい間隔でした。
主人と私とで暗黙の了解のもと受け持ち分担して、電話があるとさっと作業にかかります。オレゴンの家のときは、私が家の中、主人が庭という分担でした。というのは、一応庭が一つの見せ所になっていたからです。しかし、ハワイの家の庭はどうっていうことのない庭でしたので(ライチの実がたわわに実ったくらい)主人は寝室(片隅に主人の書斎がありましたので)と付随したバスルーム、私はキッチンと居間、という受け持ちでした。
そして約束の時間の15分前には家を出なければなりません。家の持ち主がうろうろしていては、お客さんも気兼ねして細かいところまで見ることができないからです。私たちは裏山に散歩に行ったりして時間をつぶしました。そして頃合をみて家にもどるのですが、あるときはどう見ても誰も来た形跡がなかったりします。連絡なしのドタキャンです。そんな時はもともと掃除の嫌いな私は「何のために掃除をしたのか!」とおなかの中から怒りがじわっと湧いてきます。でも気を取り直して「家がきれいになって気持ちがいいね。」と自分を慰めたりしたのでした。
こんな生活を7ヶ月して、ある日あっけなく家をとても気に入ってくれた人が現れました。それが5月の半ばでしたが、6月末に家の引渡しと決まり、あわてて新しい住居を探し始めました。(続く)
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