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Walk With God Ministries

23 9月

とんだ伏兵   坂 柚実子   9月23日


とんだ伏兵

「小鳥の歌で 夜が明けまーす
 森の中の りすのおうち、、、、、」
という童謡がありますが、ハワイの朝は普通はかわいい小鳥の歌ではじまります。

ところが、このマンションでむかえた最初の朝、多分4時半ころ、けたたましい何かの鳴き声に主人も私もびっくり。引越しで疲れて熟睡していた二人をたたきおこすのに十分な声でした。

それは、窓の前の椰子の木で寝ていたらしい鳥たちが、朝の会議(?)を始めた声でした。まだ外は薄暗く、何の鳥かも何羽いるのかもわかりませんでしたが、とにかく、すごい大声でおしゃべりなのです。このマンションは道路から少し離れていて、静かだと思ったのですが、とんだ伏兵がいたものです。「鳥を撃ち殺したい」と私の人生で初めて思った瞬間でした。これから毎日これで起こされるのか、と、かなり悲壮な思いになりました。

彼らはしばらく早朝会議をしたあと、一日の仕事をしに飛び立ちます。そして、夕方、少し暮れかかったころに、三々五々御帰宅されます。誰かが帰ってくるたびにワーワーギャーギャーと歓迎の声(本当は多分寝る枝を確保するための小競り合い)をあげます。そしてその日にあったことをひとしきり報告しあって(?)、それから静かな眠りにつきます。

この鳥は、私が前まえから「かわいくない鳥だなぁ、、」と思っていたコモン・マイナーというムクドリの一種だということが毎日の観察で判明してきました。主人が「あの鳥は歩くねぇ。」とハワイに来てすぐの時に表現した鳥で、鳩くらいの大きさなのですが、足が鳩より長く、「この鳥は歩くが、ときどきホップもする」という説明がありましたから、主人の観察力も捨てたものではなかったわけです。鳩も歩くと思いますが、このマイナーが歩く姿はとっても格好悪いのです。そしてオウムのように物まねが上手で、飼っている人もいるとか。電話の音を上手にまねるので、家の人がいつもだまされるという話も聞きました。マイナーの鳴き方は、croak (ガーガー)、squawk(ギャーギャー)、 chirp(チュッチュッ) click (カチッカチッ)whistle(ピーピー)と多彩であり、夫婦喧嘩(ちなみに一生つがう)のときはscreech(キーッ)と鳴く、、、と書かれていました。

毎日この鳴き声に起こされるか、と思いきや、私たちはすぐに慣れてしまって、朝までぐっすり寝ることができるようになりました。そして夕方彼らが帰ってくると、「子供たちが帰ってきたよ。」と二人でにこやかに迎えるようにもなったのです。出先で同じ鳥を見ると、うちの子供かな、などと思ったり、だんだんいとしささえ感じるまでなったのです。人の心はかわりますね。(実は、いつも同じ鳥たちが帰ってくるのか、行き当たりばったりの違う鳥たちが帰ってくるのかわかりません。専門家でないので。) 終わり


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