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05 12月

クロス王とトランプ次期大統領           坂   達  也    2016年12月5日


クロス王とトランプ次期大統領

 

                 坂   達  也

 

私は今回のアメリカの大統領選挙に際して、そのかなり以前から色々な人がオバマ氏とかトランプ氏に関する預言(その多くは預言というより個人的な予想、憶測であるというべきですが)をして来たことを知っております。その多くはYouTube 等に載っていますので、日本でも既に大勢の人がそのような預言が世に出回っていることを御存知であると思います。

特にオバマ大統領こそが反キリスト anti christであるとか、アメリカの最後の大統領であるとか、又、複数の預言者がトランプ氏が大統領になることを預言して来たことも私は知っております。

 

しかし私は最後の時代には大勢の偽預言者が出て来ることが聖書に預言されていますので、政治家への預言に触れることをできるだけ避けて来ました。というのは、人のいう預言とか予言まがいのことを取り上げ始めたらきりがないからです。そのような興味本位のまぎらわしいものの多くは肉のものですから、聖書から逸脱する危険性が大きいのです。従って今迄私が紹介して来た預言あるいは政治家に対する意見のほとんどは私が信頼するリック・ジョイナー師とチャック・ピアース師のものに限って来ました。

ところがこの春頃からでしょうか、ランス・ウオルナウ師はトランプ氏がアメリカの45代目の次期大統領になることを、聖書のイザヤ書45章に出て来るペルシャのクロス Cyrus 王に例え始めました。

 

そこでジョイナー師も指摘するクロス王とトランプ次期大統領の類似点を聖書で確かめてみたいと思います。

第一に、クロス王は最初未信者でしたがその後イスラエルの神、主を信じる信者になっていることです。聖書のイザヤ書45:4、5をみると、クロス王は、最初は「主が『あなたはわたしを知らないが』」と書かれている通り、主を信じない異邦人でした。しかし、エズラ書1:2では「ペルシャの王クロスは言う。『天の神、主は・・・』」と王自身の信仰告白のことばが書かれているのですから彼は信者になっています。加えて3節で王は「あなたがた、すべての主の民に属する者はだれでも、その神がその者とともにおられるように。」と言っているので間違いありません。

そしてイザヤ45:1では冒頭に「主は、油注がれた者クロスにこう仰せられた。」と記されていることからしても、神がクロス王を用いるために信者に導いたことが明らかであると私は信じます。

 

一方主なる神が、トランプ氏をアメリカの大統領に登用しようとしていることが神の御心にかなうことであることは選挙結果から明らかです。

そのトランプ氏はつい最近迄は未信者であったことと、その彼が最近信者になったことが2、3の方、特にジョイナー師がはっきりと証ししています。従ってその点において、クロスとトランプは似ていると云って差し支えないと私は思います。そしてトランプ氏が主の改革を担うリーダーであるのなら、クロスと同じように「主が油注がれる者」になって当然であると私は信じます。

 

次に主がこの二人を用いようとしている、その目的が類似しています。クロス王が神に召された目的は、エルサレムに宮殿を再建することでありました。又そのために「離散したイスラエルの民はエルサレムにもどってその再建に参加せよ、そして残る者はみな、その民を助けよ」と王が命令しているのです。(エズラ記1:2節の後半から4節のはじめを参照)

ジョイナー師は、現代の私たちクリスチャンにとっての宮殿建設とは「主の家」=「教会」を立て上げること、それは少なくとも一世紀の教会のレベルにまで再建することにあるとし、この点で二人の召命は類似していると言います。

 

特に世界中に散在する現在のクリスチャンの教会の姿は、一世紀の「初代教会」から比べれば零落し荒廃した状態にあることは明らかです。このばらばらで主の御国には程遠い現在の教会をクリスチャン主導の「主の御国」に立て上げることこそは、イスラエルに宮殿を建て上げることに匹敵すると信じます。それを主は、特に政治・経済、モラルや信仰も全くといってよい程頽廃したアメリカの国を先ず再建することから始められ、それによってアメリカの凋落したクリスチャン教会そのものを立て直すことをトランプ大統領に期待しておられる。それだけではありません。それが進んで、遂にはエルサレムに宮殿が再建されることにつながるのが主のご計画であるとしても私はおかしくないと思います。

 

 

そのために必要なものはクリスチャンの信仰のサポート

 

私は今回の大統領選挙が、たとえ数は少なくともクリスチャンの懸命な祈りによってトランプ氏が大統領に選ばれたことを信じて疑いません。

それは信仰の働きによってでした。その「信仰」に関しイエスはいわれます。「まことにあなた方に告げます。もし、あなたがたが、信仰を持ち、疑うことがなければ、いちじくの木になされたようなことができるだけでなく、たとい、この山に向かって、『動いて、海にはいれ。』と言っても、そのとおりになります。あなたがたが信じて祈り求めるなら、何でも与えられます。」(マタイ21:21)

ここで興味のあるみ言葉は、イエスが別なところで*「もし、からし種ほどの信仰があったら、この山に・・・」と言っておられることです。(マタイ17:20)つまり、信仰そのものはほんの小さなものでよいのですが、重要なことは「疑うことがなければ」という上記の下線の部分です。私たちは何としても「疑う」ことを失くさねばならないのです。

しかし信仰に関してもう一つ重要な要素があります。それについてマルコ6:2−6をお読みください。イエスは生まれ故郷ではあまり奇跡が起こせませんでした。それは彼を知っている地元の人々がイエスに対する信仰をほとんど持ってはいず、むしろ疑いの目で見ていたー即ち不信仰であったからです。

 

以上の前置きをして、シュルーズバーグ師という方が、最近のモーニングスターでのカンファレンスで、次のような話しをしていたことをご紹介したいと思います。

それは大統領選挙日の3週間程前に、主が今何が起こっているかを彼に語ったお話です。主は大統領選挙において今、アメリカ国民の関心の目が一斉にヒラリー候補の上に集中しているがトランプ候補の方には向いていない。この状態を変えねばならないと言われたそうです。確かにその頃のクリントン夫人の人気は絶頂でした。民衆、特に女性がこぞって「ヒラリーが勝つ」ことを一致して叫び、それにメディアがこぞって「ヒラリー勝利」を宣言したのです。又彼女の選挙キャンペーンのスローガンは「私はヒラリーと共にいる」という預言的な宣告でした。一方のトランプ陣営は、肝心の共和党内で「トランプ反対」の不協和音が根強く、これに民衆が呼応し「私はトランプに投票しない」と叫ぶ人たちが優勢になりつつありました。そこで主が指摘されたのは「主でさえも生まれ故郷では奇跡を起こすのは難しかった」という事実でした。こう言われたシュルーズバーグ師は、主のいわれることをよく理解し、早速祈り手のグル―プを結集したのです。そして天を見上げて宣言をし始めました。「ヒラリーのサポーターたちよ、彼女から目を離しなさい。」そして「ヒラリー陣営に不一致を、トランプ陣営にはより多くの民衆の目が集まり彼への期待が一致して強くなる」ことを叫び続けました。すると3−4日経って、突然コーメーFBI長官がヒラリー氏の容疑調査再開を発表しました。それによってヒラリー陣営への勝利の期待は一変して破壊的混乱状態に陥り、ヒラリーへの信仰に民衆が疑いの目を向け始めたのです。一方トランプ候補への関心の目がどっと集中し、投票日には完全にひっくりかえっていたというのです。

師は真の信仰を持つ人が二人三人集まり一致して祈れば「山をも動かす」と言います。私は、今回の選挙でトランプ候補を勝たせたのは「クリスチャンの祈り」であると言われたことは本当であったと信じます。

 

そこで最後にもう一度イザヤ45:1−3を見てみましょう。

「主は、油注がれた者クロスに、こう仰せられた。『わたしはかれの右手を握り、彼の前に諸国を下らせ、王たちの腰の帯を解き、彼の前にとびらを開いて、その門を閉じさせないようにする。わたしはあなたの前に進んで、険しい地を平らにし、青銅のとびらを打ち砕き、鉄のかんぬきをへし折る。わたしは秘められている財宝と、ひそかな所の隠された宝をあなたに与える。それは、わたしが主であり、あなたの名を呼ぶ者、イスラエルの神であることをあなたが知るためだ。」

 

これは何とすばらしいみ言葉でありましょうか。もしトランプ大統領がクロス王に例えられるのなら、上記の主の約束のみ言葉がトランプ大統領にも当てはめられるのです。私はこのみ言葉が成就することを疑わずに信じる決意をしております。現にトランプ政権は正式の発足(新年1月20日)を前にしてその組閣が着々と進められており、その人選の多くは主の知恵によるものと信じます。

しかしアメリカだけでなく、世界は益々過激派による暴動、虐殺、移民問題の広大、それに大地震をはじめとする天変地異とか疫病・飢饉が起こり、世の中の秩序と治安は完全に麻痺する事態が起こることは想像に難くありません。従って世界のクリスチャンは益々その信仰に堅く立って一致協力し御国を立て上げて行くための祈りと忍耐が必要な時代に向かっております。どうぞ皆様のアメリカに対する一層のお祈りをお願い致します。(終り)


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