03 02月
愛の道具 坂 柚実子 2月3日
愛の道具
私はインターネットで楽天家庭農園のサイトを見ています。ハワイに来てから畑をしているので参考にさせてもらっています。畑で野菜や花を作っている人たち同士の会話は、お天気や土つくりの話等で、ややこしくなく心が和みます。人が土や野菜と語りながら時間をすごくことは、心のバランスを保ってくれるようですね。
私の母の畑は、花や野菜と共に、雑草も同じように愛されて大きな顔をしているような畑でしたが、私たち5人の娘(私は末娘です)はみんな花を愛し土と親しむことを教えてもらったようです。
先日一番上の姉からこんなEメールが届きました。
「 おはようございます。
この花は教会へ行く道に咲いている素心蝋梅(ソシンロウバイ)
です。もちろん知っていますよね。とてもよい香りです。
教会に行く時、立ち止まって見ていたら、その家の方が
枝を切ってくださいました。教会に持っていって、ピンクの
チューリップといっしょに花瓶にさしました。
その日は寒かったのですが、会堂の中は春が来たようでした。」
姉がこの花を何分立ち止まって見ていたのか知りませんが、お家の方が気がついて枝を切ってくださったなんて、本当に素敵ですね。
ちょっと映画の一こまのような、ほのぼのとした気持ちになりました。
これで思い出したのが、オレゴンの友人夫妻のことです。
彼らは自分たちの家の農地のように広い敷地に野の花の種を沢山蒔きました。花が一面に咲いたころ、柵に「Make Your Own Bouquet どうぞご自由に花束をお作りください。」という看板をかけ、花ばさみもかけておきました。その道を通る人たちが大喜びで好きな花束を作っていきました。そして多分誰かが持っていってしまうだろうと思っていた花ばさみも、なくならなかったそうです。彼らの純粋な心が人々にも通じたのでしょう。
「小さなかごに花をいれ さびしい人にあげたなら
部屋に香りみちあふれ くらい胸もはれるでしょう
愛のわざは小さくても 神の御手がはたらいて
悩みの多い世の人を 明るく清くするでしょう
グラント・テュラー」
マザー・テレサは「小さなことを大きな愛をもってしなさい。」といわれたそうです。花は愛の道具として神様が作ってくださったのかもしれませんね。(終わり)
トップへ戻る